頚椎症性神経根症とは?
頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)とは、加齢や負担によって首の骨(頚椎)が変形し、腕や手先へとつながる神経の根本(神経根)が圧迫されることで、首から肩、腕、指先にかけて痛みやしびれが生じる病気です。
首の骨の間にあるクッション(椎間板)がすり減ったり、骨にトゲのような変形(骨棘:こっきょく)ができたりすると、神経の通り道が狭くなってしまいます。そこを神経が通る際にギュッと締め付けられることで、電気が走るようなピリピリとした痛みや、感覚の鈍さといったつらい症状を引き起こします。
このような症状はありませんか?
日常生活の中で、以下のような首の違和感や腕・手のしびれを感じたことはありませんか?
- 上を向く(うがいをする、目薬をさす等)と、首から腕にかけて痛みが走る
- 首から肩甲骨のあたりにかけて、常に重だるい痛みやコリがある
- 腕から指先にかけて、ピリピリ・ジンジンとしたしびれがある
- 腕の力が入りにくく、物を落としやすくなった
- 痛くて夜中に何度も目が覚めてしまう、横になっているのも辛い
一つでも当てはまる方は、頚椎症性神経根症の可能性があります。首を無理に回したり、自己流で強くマッサージしたりすると、神経の炎症が悪化してしまう恐れがあるため、早めの受診をおすすめします。
痛みの原因と発症しやすい方
頚椎症性神経根症の主な原因は、加齢に伴う首の骨や軟骨の変形ですが、日々の「姿勢の悪さ」による首への過度な負担が大きく影響しています。
- 40代〜60代の中高年の方(加齢による骨の変形が起こりやすい年代です)
- 長時間のパソコン作業やデスクワークをしている方
- スマートフォンをうつむいた姿勢で長時間見ている方(いわゆるスマホ首)
- 小さなお子さまや学生さん(近年は若年層でも姿勢の崩れから首の不調を訴える方が増えています)
当院での診断方法
「手がしびれる」という症状が出た時、それが「首の神経の圧迫(頚椎症性神経根症など)」から来ているのか、それとも「手首や肘での神経の圧迫(手根管症候群や肘部管症候群)」から来ているのかを見極めることは、治療において最も重要です。
当院は整形外科専門医であると同時に、手や腕の神経を熟知した「手外科専門医」でもあります。首の動きの確認や筋力テストを丁寧に行うとともに、運動器エコー(超音波検査)を用いて、手や腕の末梢神経が別の場所で圧迫されていないかを的確に鑑別します。
※首の神経の圧迫具合を正確に確認するためにMRI検査が必要と判断した場合は、速やかに連携する専門医療機関をご紹介し、スムーズに検査を受けていただける体制を整えております。
当院の治療法とリハビリ
頚椎症性神経根症は適切な保存療法とリハビリを行うことで、ほとんどの場合で手術をせずに症状の改善が見込めます。
1. 保存療法(お薬や装具)
痛みが強い時期は、首の安静を保つためのカラー(装具)の着用や、神経の炎症を抑える飲み薬を使用します。症状の程度にもよりますが、これらのみで快方へ向かう方も多いです。
2. リハビリテーション(最新機器と姿勢改善)
痛みが少し落ち着いてきたら、経過に応じてリハビリ室での治療を併用します。深部の筋肉を効果的にほぐし血流を改善させる最新の物理療法機器(フィジオアクティブ・フィジオソノ)を活用します。
また、首の負担を根本から減らすためには「正しい姿勢」が不可欠です。当院ではリハビリを通じて、背骨や骨盤のバランスを整え、首に負担のかからない身体づくりを丁寧にサポートし、再発を予防します。
3. 重症例への対応
首の神経の圧迫が非常に強く、手の筋肉が著しく痩せてしまったり、手術が必要と判断される場合には、信頼できる脊椎・脊髄外科の専門医を責任を持ってご紹介いたします。
院長からのメッセージ
「手がしびれてお箸が持ちにくい」「上を向くのが怖くて、洗濯物が干せない」 頚椎症性神経根症による痛みやしびれは、皆さまの毎日の生活に大きな不便とストレスをもたらします。
「しびれ」という症状には、様々な原因が隠れています。当院では整形外科と手外科、両方の専門医としての知見を最大限に活かし、「痛みの本当の原因」を探し出します。お薬や装具を用いた治療から、リハビリによる根本的な姿勢改善まで、患者さんと二人三脚で治療を進めてまいります。
東京都北区・王子駅前の通いやすいクリニックです。「このしびれは首から?それとも手から?」と不安になった時も、どうぞお一人で悩まずに、お気軽にご相談にいらしてください。
この記事を監修した人
伊藤祥三(王子駅前さくら整形外科・手のクリニック 院長)
日本専門医機構認定 整形外科専門医・指導医 / 日本手外科学会認定 手外科専門医・指導医

