腱板損傷とは?
腱板損傷(けんばんそんしょう)とは、肩の関節を安定させ、腕を上げ下げする働きを持つ「腱板(けんばん)」というインナーマッスルのスジ(腱)が傷ついたり、切れたりして、肩に痛みや動かしにくさが生じる病気です。「腱板断裂(けんばんだんれつ)」と呼ばれることもあります。
私たちの肩は、複数の筋肉と腱によって複雑に支えられています。その中でも腱板は骨と骨の間の狭いすき間を通っているため、長年の使用や急な衝撃でこすれてすり減りやすく、炎症や断裂を起こしやすいデリケートな組織です。
このような症状はありませんか?
日常生活の中で、以下のような肩の違和感や痛みを感じたことはありませんか?
- 腕を上に挙げようとすると、肩の周囲にズキッと強い痛みが走る
- 腕を挙げる途中で痛むが、完全に上がりきると痛みがスッと消える
- 夜寝ている時に肩が痛み、何度も目が覚めてしまう(夜間痛)
- 腕を下ろす時に力が入らず、ストンと落ちてしまう
- 肩を動かすと「ジョリジョリ」「ゴリゴリ」といった音が鳴る
これらの腱板損傷 症状は「四十肩・五十肩」ととてもよく似ていますが、腱板損傷の場合は「自分では挙げられないが、反対の手で手伝えば腕が挙がる」という特徴があります。放置すると切れた腱が縮んで治りにくくなるため、早めのご相談が大切です。
痛みの原因と発症しやすい方
腱板損傷 原因の多くは、加齢に伴う腱の老化(もろくなること)と、日常的な肩への負担です。特別なケガがなくても、日々の生活の中で自然にすり切れてしまうことがよくあります。
- 50代〜70代の中高年の方(加齢による腱板の老化が最も大きな原因です)
- 大工仕事や農作業など、腕を高く上げるお仕事の方
- テニス、野球、水泳など、肩をよく回すスポーツをされている方
- 転んで手や肩を強くついた方、重い物を急に持ち上げた方
当院での診断方法
腱板損傷の診断において、当院が最も強みとしているのが運動器エコー(超音波検査)を用いた的確な診断です。
レントゲン検査では「骨」しか映らないため、腱板(スジ)が切れているかどうかは分かりません。エコー検査なら、放射線を浴びることなく、痛みを伴わずに「腱がどのくらい傷ついているか(切れているか)」「炎症で水が溜まっていないか」をリアルタイムで確認できます。患者さんご自身にも画面を見ていただきながら、現在の肩の状態を分かりやすくご説明いたします。
※より精密な画像診断(MRI検査など)が必要な場合は、速やかに連携する専門医療機関をご紹介し、スムーズに検査を受けていただける体制を整えています。
当院の治療法
腱板は一度完全に切れてしまうと自然につながることはありませんが、周りの筋肉を鍛えたり炎症を抑えたりすることで、多くの方が手術をせずに痛みのない生活を取り戻されています。
1. 保存療法(お薬やエコー下注射)
痛みが強い時期は、無理に動かさず炎症を抑えることが最優先です。飲み薬や湿布に加えて、エコーの画像を見ながら、炎症を起こしている部位へピンポイントでお薬を届ける「超音波ガイド下注射」を行います。これにより、つらい夜の痛みなどを効率よく和らげます。
2. リハビリテーション(最新機器と運動療法)
当院のリハビリ室には、最新の物理療法機器(フィジオアクティブ・フィジオソノ)を完備しており、肩の深部の痛みを効果的にケアします。
また、残っている健康な筋肉を鍛えて肩の動きをカバーする訓練が非常に重要です。当院では運動療法を通じて、肩甲骨周りの柔軟性や正しい姿勢を取り戻し、肩への負担を根本から減らす身体づくりをサポートします。
3. 重症例への対応
もし、腱板が大きく切れており、お仕事やスポーツへの早期復帰のために手術(腱板縫合術など)が必要と判断される場合には、信頼できる肩関節外科の専門病院を速やかにご紹介いたします。手術後の大切なリハビリは、再び当院の広々とした空間で安心して継続していただけます。
院長からのメッセージ
「肩が痛くて眠れない」「腕が上がらず着替えが辛い」 腱板損傷による痛みは、患者さんの心身を深く疲れさせ、毎日の生活の質を大きく下げてしまいます。
「四十肩だと思ってずっと我慢していたら、実は腱板が切れていた」という患者さんは非常に多くいらっしゃいます。痛みのない的確なエコー検査で、まずは「何が原因で痛いのか」をはっきりさせることが、治癒への第一歩です。
当院では、専門医としての確かな診断と、最新機器やピラティスを取り入れたリハビリで、皆さまが一日も早く「痛みのない日常」を取り戻せるよう全力でサポートいたします。どんな小さな痛みでも、どうぞ我慢せず、東京都北区・王子駅前の当院までお気軽にご相談ください。
この記事を監修した人
伊藤祥三(王子駅前さくら整形外科・手のクリニック 院長)
日本専門医機構認定 整形外科専門医・指導医 / 日本手外科学会認定 手外科専門医・指導医

