急性腰痛症(ぎっくり腰)とは?
急性腰痛症(きゅうせいようつうしょう)とは、一般的に「ぎっくり腰」と呼ばれる、突然腰に激しい痛みが走る病気です。欧米ではその急激な痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれています。
腰を支える筋肉や筋膜(筋肉を包む膜)、関節の靭帯などに突然強い負担がかかり、小さな断裂や炎症を起こすことで生じます。手外科の領域でいう「突き指」や「捻挫」が、腰の大きな筋肉や関節で起こってしまった状態とイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。
このような症状はありませんか?
日常生活のふとした瞬間に、以下のような激しい腰の痛みを感じたことはありませんか?
- 床に落ちた重い荷物を持ち上げようとした瞬間、腰に激痛が走った
- 朝、顔を洗おうと前かがみになった時に「ピキッ」と痛んだ
- 痛みが強すぎて、その場から立ち上がることや歩くことができない
- 寝返りを打つだけで腰に痛みが響き、夜もよく眠れない
- 咳やくしゃみをするだけでも腰に激痛が走る
一つでも当てはまる場合は、急性腰痛症の可能性が高いです。無理に動かすと炎症が悪化してしまうため、まずは楽な姿勢で安静にし、動けるようになったら早めに受診をしてください。
痛みの原因と発症しやすい方
急性腰痛症の直接的な原因は腰への急激な負担ですが、その背景には「日々の筋肉の疲労」や「姿勢の崩れによる腰へのストレスの蓄積」が隠れています。
- 20代〜50代の働き盛りの方(デスクワークや立ち仕事で同じ姿勢が続く方)
- 重い物を持ち運ぶことが多いお仕事や、家事・育児中の方
- 慢性的な運動不足で、体幹の筋力が低下している方
- スポーツの練習で急な動作をした小さなお子さまや学生さん
当院での診断方法
ぎっくり腰だと思っていても、実は「腰椎椎間板ヘルニア」や「圧迫骨折」などの別の病気が隠れていることがあります。そのため、まずはレントゲン検査を行い、骨に異常がないかをしっかりと確認します。
症状の程度やレントゲン検査の所見によっては、MRIやCTなどのより精密な検査が必要となることがあります。当院ではそのような事態に備え、速やかに連携する専門医療機関をご紹介し、スムーズに検査を受けていただける体制を整えています。
当院の治療法とリハビリ
急性腰痛症は、激しい痛みをいかに早く取り除き、その後の再発を防ぐかが治療の鍵となります。
1. 保存療法(お薬やエコー下注射)
受傷直後の痛みが強い急性期は、コルセット(装具)で腰を保護し、痛み止めの飲み薬や湿布で炎症を抑えます。 また、筋肉や筋膜が極度に緊張して激痛を引き起こしている場合には、エコーの画像を見ながら痛みの原因となっている筋膜に直接お薬を注入する「エコー下注射(筋膜リリースなど)」を行います。
2. リハビリテーション(最新機器とメディカルピラティス)
激しい痛みが落ち着いてきたら、当院のリハビリ室での治療を開始します。深部の筋肉の炎症を鎮め、修復を促す最新の物理療法機器(フィジオアクティブ・フィジオソノ)を活用し、早期の回復を目指します。
ぎっくり腰は「クセになる(再発する)」とよく言われますが、それは腰に負担をかける姿勢や体の使い方が改善されていないためです。当院ではメディカルピラティスを取り入れた新しいリハビリで、体幹(インナーマッスル)を鍛え、背骨の柔軟性を取り戻すことで、二度とぎっくり腰を起こさないための身体づくりを丁寧にサポートします。
3. 重症例への対応
もし、ぎっくり腰ではなく重度の椎間板ヘルニアなどにより、足に強いしびれや麻痺が出ており手術が必要と判断される場合には、信頼できる脊椎外科の専門病院を速やかにご紹介いたします。
院長からのメッセージ
「痛くて動けない、仕事にどうやって行こう」「トイレに行くことすら辛い」 急性腰痛症の突然の激痛は、皆さまの日常生活を完全にストップさせ、大きな不安を与えてしまいます。
しかし、適切な診断と初期治療を行えば、数日から数週間で必ず痛みは引いていきます。「ただのぎっくり腰だから」と放置せず、なるべく早い受診をお勧めいたします。
当院では、お辛い症状を一日でも早く取り除けるよう全力でサポートいたします。東京都北区・王子駅前の通いやすいクリニックですので、突然の腰の痛みでお困りの際は、どうぞおひとりで我慢せずにお気軽にご相談ください。
この記事を監修した人
伊藤祥三(王子駅前さくら整形外科・手のクリニック 院長)
日本専門医機構認定 整形外科専門医・指導医 / 日本手外科学会認定 手外科専門医・指導医

