大腿骨頸部骨折とは?
大腿骨頸部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)とは、太ももの骨(大腿骨)の付け根である「くびれの部分(頸部)」が折れてしまうケガのことです。
この部分は、骨盤と太ももをつなぐ「股関節」の中にあり、私たちが立ったり歩いたりする際に体重を支える非常に重要な役割を担っています。しかし、加齢によって骨がもろくなっていると、少し転んだだけでも簡単に折れてしまい、歩くことができなくなってしまいます。ご高齢の方の「寝たきり」の原因になりやすい、非常に注意が必要な骨折です。
このような症状はありませんか?
転倒した後などに、ご本人やご家族に以下のような大腿骨頸部骨折の症状は見られませんか?
- 転んだ直後から、足の付け根(そけい部)やお尻に激しい痛みがある
- 痛くて自力で立ち上がることができず、歩くこともできない
- 仰向けに寝かせると、折れた方の足のつま先が外側に倒れてしまう
- 折れた方の足が、反対の足に比べて少し短く見える
- (まれに)骨が噛み合っていて、痛みを我慢すれば少し歩けてしまうことがある
ほとんどの場合は歩けなくなりますが、まれに歩けてしまうケースもあり、「ただの打撲だと思って放置していたら、後から激痛で動けなくなった」ということもあります。ご高齢の方が転倒して痛みを訴えている場合は、お早めにご受診ください。
痛みの原因と発症しやすい方
大腿骨頸部骨折の原因の大部分は、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)で骨がスカスカにもろくなっている状態での「軽い転倒」です。室内でつまずいたり、ベッドから落ちたりといった、日常の些細な出来事で折れてしまいます。
- 70代以降のご高齢の女性(閉経後のホルモンバランスの変化で骨粗鬆症になりやすいため)
- 足腰の筋力が低下し、バランスを崩しやすくなっている方
- 過去に背骨や手首の骨折をしたことがある方
当院での診断方法
大腿骨頸部骨折が疑われる場合、まずはレントゲン検査を行い、骨が折れていないかをスピーディに確認します。レントゲンで分かりにくいヒビ(不全骨折)が疑われる場合には、速やかにMRI検査が可能な連携病院を手配し、見逃しのない的確な診断を行います。
当院の対応
大腿骨頸部骨折は、そのままにしておくと寝たきりになってしまうリスクが高いため、原則として入院による「手術」が必要になります。
1. 専門病院へのご紹介とスムーズな連携
大腿骨の骨折のような入院を伴う大きな手術が必要な場合は、信頼できる連携病院(地域の総合病院など)へ責任を持って迅速にご紹介いたします。
2. 術後のリハビリテーション(最新機器とメディカルピラティス)
手術を終えて退院された後は、ご自宅から通いやすい当院でリハビリを継続していただけます。当院の広々としたリハビリ室でじっくりと運動療法に取り組んでいただき、身体機能の回復を図ります。必要に応じて最新の物理療法機器(フィジオアクティブ・フィジオソノ)を併用し、術後の痛みや筋肉のこわばりを和らげます。
3. 骨粗鬆症の治療
二度目の骨折を防ぐためには、リハビリと同時に「骨を強くする治療」が欠かせません。当院では、骨密度検査の結果に基づき、患者さんのライフスタイルに合わせたお薬(飲み薬や注射など)を用いて、根本的な骨粗鬆症治療をしっかりと行います。
院長からのメッセージ
「おばあちゃんが転んで歩けなくなってしまった」 大腿骨の骨折は、患者さんご本人の痛みはもちろんのこと、支えるご家族にとっても大変ご不安が大きい出来事だと思います。
「もう二度と歩けなくなるのでは」と心配されるかもしれませんが、現在は手術の技術も進歩しており、早期に適切な手術とリハビリを行えば、再び自分の足で歩けるようになる可能性が十分にあります。当院は、手術を行う病院としっかりと連携を取りながら、退院後の生活復帰に向けたリハビリや骨粗鬆症治療を全力でサポートいたします。
ご家族の足の痛みや歩行にご不安がありましたら、東京都北区・王子駅前の当院まで、どうぞお気軽にご相談にいらしてください。
この記事を監修した人
伊藤祥三(王子駅前さくら整形外科・手のクリニック 院長)
日本専門医機構認定 整形外科専門医・指導医 / 日本手外科学会認定 手外科専門医・指導医

