外傷性頚部症候群(むち打ち)とは?
外傷性頚部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)とは、一般的に「むち打ち(むち打ち症)」と呼ばれるケガのことです。
交通事故での追突や、スポーツ中の激しい衝突などによって、首が鞭(むち)のように前後に強くしなり、首の筋肉や靭帯(じんたい)、神経などが傷ついてしまうことで発症します。骨折とは異なり、レントゲンでは骨に異常が見られないことが多いにもかかわらず、長引く痛みや不調に悩まされるのが特徴です。
このような症状はありませんか?
むち打ちは、事故やケガの直後には痛みがなく、数日経ってから症状が現れることもよくあります。日常生活で以下のような不調を感じていませんか?
- 首から肩、背中にかけて強い痛みや重だるいコリがある
- 首を動かすと痛くて、上や後ろを振り向けない
- 頭痛、めまい、吐き気、耳鳴りがする
- 腕から指先にかけて、ピリピリとしたしびれがある
- 天気が悪い日や疲れた時に、特に症状が重くなる
一つでも当てはまる場合は、外傷性頚部症候群の可能性があります。「外傷がないから」「そのうち治るだろう」と我慢していると、症状が慢性化してしまう恐れがあるため、お早めにご受診いただくことが大切です。
痛みの原因と発症しやすい方
むち打ちの最大の原因は、不意に首へ大きな衝撃が加わることです。予測していない状態で衝撃を受けるため、首周りの組織が過度に引き伸ばされて炎症を起こしてしまいます。
- 交通事故(特に後ろからの追突事故)に遭われた方
- ラグビー、アメリカンフットボール、柔道などのコンタクトスポーツをされる方
- スノーボードなどで激しく転倒した方
- 遊具などから転落した小さなお子さま
当院での診断方法
むち打ちは、他の人に症状が見えにくいため、正確な診断がとても重要です。まずはレントゲン検査を行い、骨折や脱臼がないかをしっかりと確認します。さらに当院では、運動器超音波(エコー)を用いた検査も実施しております。 超音波検査は、レントゲンには映らない首の周りの組織の状態をリアルタイムで確認できる優れた検査です。
上肢(腕)や背部に響くような疼痛やしびれを伴うなど、MRI検査が必要と判断された場合には、速やかに連携する専門医療機関をご紹介し、スムーズに検査を受けていただける体制を整えております。
当院の治療法とリハビリ
むち打ちの治療は、痛みの強い「急性期」と、少しずつ動きを取り戻していく「慢性期・回復期」でアプローチを変えていきます。
1. 保存療法(お薬やエコー下注射)
事故直後や痛みが強い時期は、首の安静を保つためのカラー(装具)の着用や、炎症を抑える飲み薬・湿布を使用します。首から肩にかけての筋肉がガチガチに緊張して激痛や頭痛を引き起こしている場合には、エコーの画像を見ながら安全に筋肉の強張りをほぐす「超音波ガイド下注射(筋膜リリースなど)」を行い、つらい症状を和らげます。
2. リハビリテーション(最新機器と姿勢改善)
強い痛みが落ち着いてきたら、必要に応じてリハビリ室での治療を行います。深部の筋肉を効果的にほぐし血流を改善させる最新の物理療法機器(フィジオアクティブ・フィジオソノ)を活用し、組織の回復を促します。
むち打ちの後は、痛みをかばって姿勢が悪くなり、それがさらなる不調を招く悪循環に陥りやすくなります。当院では背骨の柔軟性を取り戻し、首に負担のかからない正しい姿勢と身体づくりを丁寧にサポートします。
院長からのメッセージ
「痛いのに、周りからは元気そうに見られて辛い」「いつまでこの不調が続くのだろう」 むち打ちの症状は、目に見えない痛みや自律神経の乱れを伴うため、患者さんの心身を深く疲れさせ、大きな不安を与えてしまいます。
交通事故などで心細い思いをされている患者さんが、少しでも早く元の安心した生活に戻れるよう、当院ではエコーを用いた的確な診断と、最新機器やピラティスを取り入れたリハビリで全力でサポートいたします。
どんな小さな痛みや違和感でも、決して一人で我慢せず、東京都北区・王子駅前の当院へご相談ください。皆さまの不安を安心に変えられるよう、スタッフ一同、温かくお迎えいたします。
この記事を監修した人
伊藤祥三(王子駅前さくら整形外科・手のクリニック 院長)
日本専門医機構認定 整形外科専門医・指導医 / 日本手外科学会認定 手外科専門医・指導医

